東京都練馬区にある個人邸のお庭を手がけました。
今回はご自宅の新築に伴い、植栽と外構工事をご依頼頂きました。
門の前の道路は車が通れない歩道になっているものの、それなりに人の往来があり、お客様のご要望のひとつとして、プライバシーは確保しながらも、地域の方も楽しませるようなお庭にして欲しいというものがありました。
通常、道路と敷地との境界はブロックを積んでアルミ/樹脂フェンスというのが一般的ではありますが、景観としてはあまりに画一的ですし、何よりお客様が希望とするお庭のイメージからは遠いものだと感じました。金額的にも仕様によっては自然素材のものと大差がなかったことから、今回はイタウバという耐久性の非常に高い天然の木材を使用し、ウッドフェンスを造作するプランをご提案させて頂きました。
これは門袖として目隠しや侵入防止としての機能もありながら、インターフォンや表札、ポストなども取り付けることができますので、門柱としての役割も持たせることができます(表札はプライバシー保護の観点から写真から消しております)。このように門袖と門柱を一体にすることで、すっきりとしたデザインになりますし、予算を抑える効果もあります。
アプローチには天然の石材を使用致しました。門から玄関まで距離がありましたので、単調にならないようサイズ違いのものを組み合わせて敷いています。
石材は高価という印象をお持ちの方が多いと思いますが、車などの重量物が乗ったりしない歩行用のものに限れば、仕様によってはコンクリート並みに費用を抑えることができます。コンクリートも材料だけ見れば安価ですが、それを打設するまでの費用(掘削や型枠の設置作業、残土処理や重機の費用など)が意外とかかります。重機や生コン車の搬入が容易で、広い場所を舗装するのであればコンクリートはひとつの選択肢としては良いと思いますが、今回の場所のように作業車が入れずに比較的狭い範囲の舗装であれば、天然の石材を使用するのも大いにありだと思います。
何よりコンクリートは完成時が100%であとは徐々に劣化していくのに対して、石材は時を経るごとに風合いが増すというメリットがあります。もちろんそれなりにお手入れは必要ですが、植栽との相性も良いのでお庭全体の雰囲気が良くなり、建築をより引き立たせることができると思います。
植栽にはシンボルツリーとしてまだそれほど流通量が少ない常緑エゴノキをご提案させて頂きました。常緑樹はその性質から葉が肉厚でテカテカしたものが多いのですが、常緑エゴノキは葉が細くて小さいので落葉樹のような繊細な雰囲気があります。性質も比較的丈夫で成長も遅めということもあり、あまり手入れができないお客様にもおすすめできる高木です。
今回は隣地との距離が近く、高木に落葉樹を用いると落ち葉が入ってご近所の方にご迷惑をおかけすることになるとお客様が心配されておりましたので、高木は常緑樹を中心に植栽し、低木や下草に落葉樹や宿根草などを多く用いる植栽計画をご提案させて頂きました。
実のなる植物やハーブなども植栽しましたので、ただ観賞するだけでなく、ご家族の皆様で収穫などを楽しんだりして頂ければと思っております。
インターフォン、ポスト付近にはベルギー産のアンティーク石材を使用。
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